以前やってきたときの記憶を頼りに、大草原を歩くこと暫く。中天にあった太陽が半ば西へと傾ぐ頃に、ぷるみえーるは複数の小岩と一つの大岩で構成された碑石の前に辿り着いた。
ぷるみえーるは改めて眼の前の岩々を見る。円状に配置された小岩と、その中央に置かれた大岩。大岩の表面には何らかの文字が刻まれていた。
さて、と小さく一息ついてから、ぷうみえーるは早速イザムギに教わった碑石が持つ“機能”の操作とやらを行う事にした。
大岩の周囲に配置された円状の小岩。まずそれらの向きを調べ、イザムギに教わった法則に従う形でそれぞれの向きを整える。
一つ、一つと小岩の向きを変えていく。すると、碑石周囲に漂っていた空気が徐々に変化し始める。
その変化は正の方向ではなく、寧ろ逆。負の気配を感じさせる変化だ。辺りを包む空気が僅かにだが重く沈んだように感じられた。
「…………」
それに気づいて、ぷるみえーるは一度小岩を触る手を止める。
イザムギは碑石が持つ“機能”が何であるか判らないと言っていたが――もしかしたら、下手に触ると危険な事になる類のものでは無いだろうか?
「ぷるみえーる」
そこで、名を呼びかける声にそちらを振り向けば、今まで黙って様子を眺めていたノエルが僅かに顔を顰めて立っている。
彼女の表情に、ぷるみえーるは自分が感じている空気の変化を彼女も感じ取っていると察する。ノエルはこういった“気配の変化”のようなものを知覚するのに長けている。自分が感じる程のものならば、当然ノエルはその変化を感じ、ぷるみえーるよりもより詳しく把握できているのだろう。
その事を示すように、ノエルは眉根を寄せたまま大岩を見上げつつ唇を開く。
「良くない兆候だとわたしは考えます。その碑石が持つ力なのかは判りませんが、ぷるみえーるが岩の向きを変更する毎に、周辺地域に漂う概念が陽性陰性問わずこの周りへと集まってきています。このままですと、この場に強い存在概念の残滓が残っていた場合、それと陰性の概念が結びついて実体化し、俗に謂われる“怨霊”が発生する可能性が――」
そこまで言って、ノエルは大岩の方を見上げた眼を僅かに見開き、小さく息を呑む。
彼女の視線を追ってぷるみえーるもそちらを見れば、大岩の脇にうねる様な空気の渦が巻き、そこから辺りの粘つく気配を依り代として三つの影が人の形を成し、音も無く草の原へと降り立つ。
「あの姿は……キヴェンティの亡霊ですか」
緊張を孕んだ呟きと共に、ノエルは背の黒銃を手元へと回す。ぷるみえーるも慌てて己の武器を手に取った。
中央に巫女、その両脇に槍を携えた男が二人。三人の幻達は魂の篭もらぬ目をぷるみえーる達の方へと向けると、仮初めの力を行使するために動き出す。
何故襲われる羽目になるのかは察しようがないが、危険な相手である事は確かなようだ。ぷるみえーるは舌打ちと共に武器を構え直し、向かってくる三人に対して戦いの技法を放つ!!
[BossMonster Encountered!]
碑石護る幻
☆(ゝω・)v
烈火の舞!
⇒キヴェントガーダーA
反撃
⇒キヴェントシャーマン
反撃
⇒キヴェントガーダーB
反撃
HP:596/596囮
HP:597/597
HP:649/649
HP:448/448隠
HP:143/310
HP:1250/1250
HP:940/940
HP:1250/1250
クリアランス!
⇒キヴェントガーダーA
反撃解除
⇒キヴェントシャーマン
反撃解除
⇒キヴェントガーダーB
反撃解除
ハー・ティルヴェイズ!
攻撃力+100
魔力+100
防御力+100
ハー・ティルヴェイズ!
攻撃力+100
魔力+100
防御力+100
集中!
集中!
スパイラルショット!
⇒キヴェントシャーマン
43ダメージΣ
テンペストアロー!
弓の一撃!
⇒キヴェントシャーマン
474ダメージΣ
リフト
風の追撃!
⇒キヴェントガーダーA
145ダメージΣ
リフト
⇒キヴェントシャーマン
2連携!
217ダメージΣ
リフト
⇒キヴェントガーダーB
145ダメージΣ
リフト
誘惑の舞!
⇒ぷるみえーる
防御力-10
⇒本部長
防御力-50
⇒Isamu
防御力-70
⇒Yuver
防御力-30
⇒ノエル
防御力-30
HP:596/596囮
HP:597/597
HP:649/649
HP:448/448隠
HP:143/310
HP:1105/1250
HP:206/940
HP:1105/1250
サイコキネシス!
⇒キヴェントガーダーA
飛行
⇒キヴェントシャーマン
飛行
⇒キヴェントガーダーB
飛行
震雲四段!
突打ち!
⇒ぷるみえーる
回避!
草払い!
⇒ぷるみえーる
回避!
上撃!
⇒ぷるみえーる
回避!
落閃!
⇒ぷるみえーる
回避!
震雲四段!
突打ち!
⇒ぷるみえーる
回避!
草払い!
⇒ぷるみえーる
回避!
上撃!
⇒ぷるみえーる
回避!
落閃!
⇒ぷるみえーる
回避!
ホワイトアウト!
ドッド・ブリザード!
⇒キヴェントガーダーA
1494ダメージΣ
倒れた
⇒キヴェントシャーマン
933ダメージΣ
倒れた
⇒キヴェントガーダーB
1494ダメージΣ
倒れた
・
耳障りな音と共に偽りの身体が砕け、幻の戦士達が消滅していく。
陰性の概念に満ちた器が砕かれ崩滅すると、辺りに満ちていた重苦しい空気も薄れていった。
ふ、と一息ついて武器を払い、ぷるみえーるは己の身体の無事を確かめるように軽く動かす。
「ぷるみえーる」
と、先ほどの戦闘により熱を持った銃を少し持て余すようにしながら、ノエルが声を掛けてくる。視線だけで次を促せば、
「先刻の陰性概念を崩滅させたお陰で、周囲の状況は一先ず正常な状態に戻ったようですが――碑石の操作の方はどうされるのでしょうか。まだ途中なのでしょう?」
言われて、ぷるみえーるはどうしたものかと小さく眉根を寄せた。先刻の流れを見る限り、どうやら碑石を操作すると、辺りに漂う力持つ気配が集まってきてしまうようだ。それが悪い事なのか良い事なのかは一概には言い辛いが、先程のように陰性概念が集まりすぎてしまった場合は少々危険な事になる。特に最近は“四大遺跡”からの“命脈”流出によって土地概念が不安定で、陰性概念も発生しやすい。そんな状態で下手なことをすると協力な鬼種を生み出す要因にもなりかねない。
「どうされるのでしょうか。わたしとしては、もうこの碑石には手を出さない方が良いと考えますが」
ノエルの提案は尤もであるが……され、どうしたものか。
このまま操作を続けるべきか。
それともイザムギの依頼を放棄する形で、これ以上碑石と関わり合いになるのを止めてしまうべきか?
See you Next phase...
―大草原―
危険ではあるが――しかし、一体この碑石が何なのかという興味もある。危険を恐れていては冒険者など務まらない。ぷるみえーるは最後まで小岩の向き調整を行う事にした。
ノエルは無表情のまま小さく溜息をつき、
「ぷるみえーるのそういう己の身の安全に重きを置かないところは、正直あまり好ましくないとわたしは考えます」
と言いつつもこちらの意思は尊重してくれるらしく、そのまま少しばかり距離を取ると草原に座り、無言のままぷるみえーるを眺める。止めはしないものの、手伝ってくれる気もないらしい。
・
これで最後。
思い、ぷるみえーるは小岩の向きを整える。すると、中央に置かれた大岩が淡い輝きを帯びて光り出す。
(おお?)
操作は終えた。そして変化はあった。
そしてここから一体どうなるのか。次の変化を期待してぷるみえーるは大岩を眺める。
――が。
「……これだけ、でしょうか?」
それから何分経っても、大岩にそれ以上の変化は無い。いつの間にか隣にやってきていたノエルの少し気の抜けた声に、ぷるみえーるは盛り上がった気分が急速に萎えていくのを感じた。
大岩は淡い輝きを放ったまま、ぼんやりと突っ立っている。小岩の向きを変更していた時のような周りの気配の変化等はなく、ただ光っているだけだ。
(結局何だったんだ……?)
疑問の意志のままぷるみえーるは大岩に近づくと、ごんと無造作に岩の表面を叩いてみて。
同時、何処かも知れない奇妙な光景が脳裏に瞬いた
「――!?」
突然のことに、ぷるみえーるは息を呑んで飛び退く。
ほんの一瞬、脳裏に焼きついた風景。幾つもの棺桶が並び置かれた暗く閉じた石畳の地下、その最奥に設置された、小岩と大岩の郡で作られた碑石。
「ぷるみえーる? どうかされたのですか?」
こちらの様子がおかしい事に気づいたノエルの問いかけに曖昧に答えながら、ぷるみえーるは己の内に唐突に生まれた映像に戸惑う。
あれが、イザムギの言っていた他の場所にあるという碑石なのだろうか。しかし、何故今まで一度も見たことの無い場面が。
恐る恐る眼の前にある輝く碑石にもう一度触れてみるが、先程のような事は起こらない。
一体何だったのか。その疑問に答えてくれる物は何も無いが、しかしあの光景が実在のものであるならば、次の碑石の在り処について少しは推測が立てられそうだ。
End of Scene...

