ヴァイオラしばいたので石碑イベでもやろうかと。
とりあえずコートニーを目指すところまでのリザルト。
―大草原―
無言のまま草原を歩くが手頃な亜獣の姿は無く、広がるのは若干褪せた草の緑と空の赤。既に日は傾き、浮ぶ太陽の下部は地平に接する程だ。そろそろ夜も近い。
いい加減諦めて街へと戻ろうかと考え、入っていた肩の力を抜くように深く吐息。額に薄っすらと浮いた汗を拭ってから周りをぐるりと見渡して――。
(……?)
距離としてはぷるみえーるの立つ場所から20メートル程離れた場所。大草原の片隅にひっそりと、まるで何かから隠れるかのように寄り添い、並び立つ白岩の群れが見えた。植物の緑色に包まれた草原の中で白く残るその岩は、本来ならば酷く目立つものである筈なのだが――この距離に近づくまで、その存在すら気づかなかった。
何気ない好奇心に背を押され、その岩の群れへと近づく。円状に配置された小岩と、中央に置かれた大きな岩には、それぞれ表面に細かな文字が刻まれており、何者かのてによって配置されたものであることは明らかだった。大岩の周りを囲む岩はせいぜい一抱えほどの大きさなのに対し、中央に置かれた大岩は直径三メートル程度。形状は卵型で、底部には支えとなる削られた医師が差し込まれている。
それらを一通り見て廻ったぷるみえーるは、軽く腕を組んで考え込む。
何らかの記念碑、もしくは呪術的要素を秘めた祭壇、と考えるのが妥当だが、当然ながら推測の域をでない。岩に刻まれた文字を解読できないのが致命的だった。
ぷるみえーるは半ば睨むように目を細め、正面に配された大岩を見る。
(……さて、どうしたものか)
この岩々と刻まれた文字。調べるにしても、その労力と等価となる利が得られるか否か、それを判断して決めなければならないし、手に負えなければ単なる徒労となるだろう。
調べるか、それとも無視するか。そのままじっと、身動きせずに大岩を睨み――そして詰めた息をふと抜く。
「取り敢えずは……」
そろそろ日も落ちる。夜闇の中を調査、というのも何だ。調べるにしてもひとまず村へと戻り、ある程度準備を整えてから来るのが良いだろう。もしかしたら村人達の中にこの碑石について何か知ってる者も居るかもしれない。一度ティネで情報収集を行うのも悪くない。
ゆるりと、夜の冷えた空気を纏った風が吹き、反射的に襟元を正す。完全な夜となれば、夜行の亜獣などが動き出す。早い内に大草原から離れた方が良い――そう判断したぷるみえーるは、荷物を纏めると足早にその場から立ち去った。
End of Scene...
―村の広場―
「うぉーい」
――と。村の広場へと出かけたぷるみえーるとノエルは、広場の中央でさながら『ヌシ』の如く鎮座する老人に声を掛けられた。ぷるみえーるは大袈裟な仕草で手招きする老人に従い、彼の座る長椅子に腰を降ろす。ノエルは老人の間にぷるみえーるを挟んだ位置に座った。
「いやはや、本当にくるとはな。どれ……何かワシに聞きたいことでもあるかね?」
・
前に大草原を訪れた時に見かけた碑石。その話をすると、老人はその碑石について知っていることを教えてくれた。
曰く、あの碑石はアラセマからの移民達が島へやってくる以前に作られたもので、亜人の部族が原住の民であるキヴェンティ達が建てた祭壇のようなもの、であるらしい。
「アノーレにはあれと々碑石が幾つかあってな。……確か、ポロサの町に住んでいるイザムギと前に話をした時、あの碑石を調べたいとか言っていたの。あやつを訪ねてみればもう少し何か判るかもしれんが」
老人はそこで言葉を切ると、苦笑を作る。
「あやつの事だ。調べたい調べたいと言いつつも、自分の屋敷から出るのは面倒となーんも調べていない可能性も無いでは無いな。まぁ、取り敢えず行ってみるといい。他にあても無いんじゃろ?」
……何やらいい加減な話である。
End of Scene...
―イザムギの屋敷―
ポロサの町の外れに建つ古びた屋敷を訪れる。そこに暮らすイザムギは、亜獣に関する品を募集することを生きがいとする青年だという。
屋敷の呼び鈴を鳴らして暫くの後。屋敷の扉がゆっくりと開き、一人の男が姿を現す。
「どちらさまかな。まぁ、誰だろうと構わないんだけど」
細い身体に高い背丈、そして柔和な表情と糸のような両眼。男の外見を構成する要素は、その四つに尽きた。
「イザムギさん、ですね」
ぷるみえーるの隣――いつものようにぷるみえーるに付いてきていたノエルの声に、イザムギは少し驚いたように視線を移して、小さく首を縦に振った。
・
ぷるみえーるは付き添っていたノエルと共に、屋敷の応接間へと通される。西日の入る部屋の各所には、得体の知れない、と表現するしかないような怪しげな物体が配置されており、ある種独特な雰囲気を醸し出している。
「それで、どういった御用かな? まぁ、暇だしどんな用でも構わないんだけど」
改めて問うてくるイザムギに、ティネの老人に聞いた話をする。大草原にあった碑石と、それについてイザムギが調べているという話しだ。
ぷるみえーるの話しを聞くとイザムギはふむと頷き、
「ああ、それか。いや、君が興味を持っているならそれはそれで具合が良いな」
という前置きと共に彼が言うには、アノーレにはぷるみえーるが見た大草原の碑石と良く似たものが他の場所にも複数点在するのだという。そして各所の碑石にはそれぞれ今では失われた古の文字による碑文が刻まれているらしい。
「それで、だ。君にちょっとした仕事をお願いしたい。アノーレの各所にある碑石を改めて調べてみてくれないだろうか? 前からあの碑石郡は調べてみたいと思ってたんだが、フィールドワークは苦手でね。冒険者の者ならいろいろな場所を回るだろうし、丁度良いだろう?」
と言われて、ぷるみえーるは困った。碑石郡といわれてもこちらは大草原にある一つしか知らない。
素直にそう答えると、イザムギはんーと唸る。
「俺もその全てを把握しているわけではないのだよな。ポロサのツォルンや北のハザム近くにもあると聞いたが。まぁ、先に位置のはっきりしている大草原のものを頼みたい。――と、でもその前に、少しお使いを頼めるだろうか?」
一体何だろうか。視線だけで続きを促すと、イザムギはこう言ってきた。
何でも、碑石に関する資料を読み解く上で幾つか古い文字を知る為にとある本が必要で、それはコートニーの村に建つ“書簡院”という施設で働くヨザミという娘が持っているとか。
「ヨザミは面白い子だよ。というよりは、変な子といったほうがいいのかな。……まぁ、取り敢えず彼女に会いに行って、幾つか本を借りてきてくれ。報酬はしっかり出させてもらうから心配しなくていい」
といいつつも、肝心の報酬内容については上手くぼかされてしまった。
まあ、都合が合えばこなしておくことにしよう。イザムギから本のタイトルだけを聞いて、ぷるみえーるは屋敷を後にした。
End of Scene...
2009年03月12日
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